1分でわかる「介護保険の認定調査」正しく状態を伝えるために知っておきたいこと 

1分でわかる「介護保険の認定調査」正しく状態を伝えるために知っておきたいこと 

要介護認定の申請後に行われる「認定調査」。初めてだと、何を聞かれるのか、家族は何を準備すればいいのか、不安になりますよね。

多くのご家族が、いざ調査員を前にすると、普段困っていることをうまく説明できないものです。さらに親御さん自身が「まだ自分でできる」と答えたり、その日に限っていつもよりしっかり動けたりすることもあります。

このページでは、介護保険の認定調査で、普段の状態を正しく伝えるためのポイントを知って、仕事と介護を無理なく両立するためのパノラマ(見晴らし)を獲得しましょう。

 

そもそも介護保険の認定調査とは?

認定調査は、要介護・要支援認定を申請したあと、本人にどの程度の介護が必要なのかを確認するために行われる調査です。

調査員が本人の自宅や入居している施設などを訪れ、全国共通の認定調査票に沿って、身体機能や生活機能、認知機能、日頃の介助の状況などを確認します。

所要時間は約1時間が目安です。チェック項目は74項目。質問に答えるだけでなく、実際に身体を動かして、立ち上がりや座った姿勢の保持などを確認する項目もあります。

ただし、認定調査の結果だけで要介護度が決まるわけではありません。一次判定で認定調査の結果をコンピュータが分析したあと、主治医の意見書なども含めて二次判定の審査会が行われます。

認定調査では、「良く見せよう」「悪く見せよう」とするのではなく、「日頃の状態や困っていることをそのまま伝えること」が大切です。そのためのポイントを以下にご紹介します。

 

ポイント① できれば家族も調査に立ち会う

認定調査には、できるだけ普段の様子を知っている家族も立ち会うと安心です。認知機能が低下している場合には、本人が困っていることを覚えていなかったり、自分では問題がないと思っていたりすることもあるからです。

たとえば、親御さんに「一人でお風呂に入れますか?」と聞くと、「入れるよ」と答えるかもしれません。でも実際には、「浴槽をまたぐときに家族が支えている」「入浴後に転ばないよう見守っている」と、人の手を借りているということもあります。

そんなとき、家族から「普段はこうしています」と補足できれば、介助や見守りにどれくらい手間がかかっているかを正確に伝えることができます。

認知症によるトラブルなど、本人の気持ちを傷つけそうな内容については、調査の事前・事後に調査員に電話で伝えるという選択肢もありますので、尋ねてみると良いでしょう。

なお、家族の立ち会いが難しい場合には、普段の様子を知っているケアマネジャーに相談し、立ち会いを依頼する方法もあります。

 

ポイント② 「できる・できない」だけで答えない

認定調査で意識したいのが、「できる」「できない」だけで終わらせず、元気であった頃とは異なる細かな状態まで伝えることです。

たとえば、「座れますか?」と聞かれたとします。確かに座ること自体はできても、いつも手をついて身体を支えていたり、しばらく時間が経つと身体が傾いてきてしまうのであれば、そのことも伝えましょう。

トイレについても、「一人で行けます」だけでは、実態が十分に伝わらないことがあります。「トイレまでは一人で行くけれど、立ち上がるときには手すりが必要」「夜は転倒が心配なので家族が付き添っている」といった具体的な情報も、判定の際に重要となります。

認定調査はテストではありません。その場で頑張って「できること」を見せるのではなく、「普段の暮らしの中で、どんな助けを必要としているのかを知ってもらう時間」と考えておくとよいでしょう。

 

ポイント③ 症状に波があるなら「調子の悪いとき」も伝える

高齢になると、日によって状態が違うことがあります。認知症の症状についても、いつも同じように現れるとは限りません。そんなときに役立つのが家族からの補足です。

「今日はできていますが、普段は立ち上がるときに支えています」「同じ質問を一日に何度も繰り返す日があります」「感情の起伏に波があります」など、調査当日には現れていない状態についても伝えましょう。

 

ポイント④ 当日慌てないよう「具体的な場面」をメモしておく

「何か困っていることはありますか?」と突然聞かれて、すぐに整理して答えるのは案外難しいものです。ましてや仕事や家事をしながら親御さんを支えていると、毎日の対応が当たり前になり、「これも介助だったのか」と家族自身が気づいていないこともあります。

そこで認定調査の前に、普段の様子を振り返り、簡単にメモしておくと安心です。

たとえば、薬を飲んだか毎日確認している、立ち上がるときに身体を支えている、トイレのあと片付けをしている、爪切りを手伝っている、といったことです。

さらに「週に何回」「一日に何回」など、頻度まで思い出しておくと、状況がより伝わりやすくなります。

特別な記録を作る必要はありません。スマートフォンのメモなどに、気づいたときに書き残しておくだけでも十分に役立ちます。

 

ポイント⑤ 主治医にも普段の様子を伝えておく

医師と患者さんの面談

要介護認定では、認定調査に加えて、主治医の意見書も二次判定において重要な判断材料になります

ただ、診察室で見える姿と、自宅での生活は必ずしも同じではありません。特に認知機能の変化や生活上の困りごとは、短時間の診察だけでは伝わりにくいことがあります。

医師には、身体の状態だけでなく、家ではどんなことに困っているのか、家族がどんな介助をしているのかについても、できる範囲で伝えておくとよいでしょう。

 

まとめ:認定調査は「うまく答える場」ではない

認定調査という言葉を聞くと、「正しく答えなければ」「失敗したら困る」と身構えてしまうかもしれません。でも、家族がすべての質問を完璧に予習する必要はありません。

覚えておきたいのは、本人の普段の状態と、家族などが実際にしている介助を具体的に伝えることです。

当日だけ頑張ってできたことではなく、普段はどうなのか。できることだけでなく、どんな支えがあればできているのか。症状に波があるなら、調査の日には見えていない困りごとも伝える。

そのためにも、気づいたときに日頃の様子を少しずつメモしておくことが、いざというときに役立つ備えになるでしょう。

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