グループホームとは、正式には「認知症対応型共同生活介護」というサービスのことを指します。
認知症の方が9人以下のグループで共同生活を行う、地域密着型シェアハウスのような場所で、長年住んでいる地域で少人数・同メンバーで生活するため、特に環境変化に敏感な認知症の方にとって安心できる環境を整えることができます。
グループホームには認知症介護に専門性のある介護スタッフが常駐しており、施設と同じように24時間体制で介護ケアを提供しています。
概ね自治体あたり10軒前後存在しており、一軒家を活用したものもあれば、大規模施設の一部をグループホームとして活用している場合もあります。
自宅での介護が難しい認知症の方でも、住み慣れた地域で少人数でアットホームに暮らしたい場合には、有力な選択肢になります。
地域密着型のシェアハウスのような環境で、24時間の専門スタッフの介護を受けられる選択肢となると、グループホームが一番の選択肢になります。
共同生活する中では、一緒に料理を創ったり、食事、洗濯、買い物等をグループで共にやることになりますので、身体介護や医療ケアが必要なく、声掛けがあれば身の回りのことが一通りできる認知症の方が利用されるケースが一般的です。
グループホームの月額利用料は、同地域の民間の介護施設と比較すると7掛けくらいであることが多いので、介護にかかわる経済的な負担を若干押さえたい場合にも選択肢の一つになります。
民間施設の5掛けくらいの利用料で入居できる特別養護老人ホームに入れない場合に、グループホームを使われるケースも少なくありません。
民間施設等には医療スタッフが常駐しているところもありますが、グループホームには医療・看護スタッフは常駐していません。
常時医療行為が必要な疾病をお持ちの場合には、他の選択肢を検討される必要があります。
グループホームの生活は共同生活が中心となります。
もちろん、認知症対応スタッフがサポートしますが、共同生活が極めて難しい可能性が高い場合には、他の選択肢を検討していただくほうがよいでしょう。
グループホーム以外の介護施設や、介護に当たって本人やご家族に一番近い存在であるケアマネージャーについては以下で解説しています。
木場 猛(こば・たける) 株式会社チェンジウェーブグループ リクシスCCO(チーフケアオフィサー)
介護福祉士 介護支援専門員 東京大学文学部卒業。高齢者支援や介護の現場に携わりながら、 国内ビジネスケアラーデータ取得数最多の仕事と介護の両立支援クラウド「LCAT」ラーニングコンテンツ監修や「仕事と介護の両立個別相談窓口」相談業務を担当。 3年間で400名以上のビジネスケアラーであるご家族の相談を受けた経験あり。セミナー受講者数、延べ約2万人超。
著書:『仕事は辞めない!働く×介護 両立の教科書(日経クロスウーマン)』
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