
本連載(全6回)では、親も自分も納得できる「後悔しない家じまい」の進め方を徹底解説。
この連載では、家じまいを考える背景やポイントを丁寧にひも解いていきます。
親が元気なうちに考えておくことで、後のトラブルを防ぎ、安心して暮らしを続ける選択肢が広がります。
第2回は、親とどう話せばいいのか?家じまいの第一歩となる“対話の入り口”についてお伝えします。
今回は、親に切り出すときの“対話の入り口”を一緒に確認していきましょう。
藤木賀子(ふじき・よしこ)
スタイルオブ東京株式会社 代表取締役
宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター
公式HP「実家の家じまい」https://styleoftokyo.jp/iejimai/
前回は「実家は誰かが自然に引き継ぐ時代ではなくなった」という現実と、元気なうちに“家の行く末”を考える大切さをお伝えしました。(前回の記事はこちら)
では実際に、親とどう話し始めればいいのでしょうか。
多くの方が最初につまずくのが、この一言です。
「この家、将来どうするの?」
家は親にとって単なる不動産ではありません。
長年の思い出が詰まった人生の舞台です。
だからこそ、いきなり処分の話をすると心のシャッターが下りてしまいます。
対話する順番が大切です。まずは暮らしや思い出から入ってみましょう。
「この家で一番好きな場所はどこ?」
「最近、冬は寒くない?」
感情の共有 → 価値観の確認 → 判断の共有。
この順番で対話を進めると、自然と現実的な話につながります。
さらに、話すうえで大切なのは“タイミング”。
先延ばしにすると、選択肢がどんどん減っていくこともあります。
ここで実際にあった二つのご相談事例をご紹介します。
親御さんが所有していた別荘。高齢になり通わなくなり、子ども世代も使う予定はありませんでした。
調査すると、固定資産評価は約580万円。
しかし現地を見るとバルコニーは崩れ、外壁や屋根も補修が必要。
周辺には空き区画が多く、80万円で売られている土地もありました。
建築費も高騰し、特別人気のある別荘地でもありません。
そこで「変に手を入れず、このまま500万円で出してみましょう」と売却。
結果、庭いじりを楽しみたい子育て世代の方が別荘として購入されました。
親御さんには、「今後使わないこと」「将来はもっと売れなくなること」「解体にもお金がかかること」を事実ベースで共有し、“買い手がつく今のうちに”という判断につながりました。
もう一つは、相続後の相談です。
親の家を相続し、固定資産評価額の約680万円で売り出しましたが、1年経っても反響はゼロ。
困って相談に来られ、改めて調査すると、建物を使うには相当な修繕費が必要。
さらに解体にも高額な費用がかかる状態でした。
結局、150万円を支払って引き取り業者に引き取ってもらうことに。
「まさか持ち出しになるとは思わなかった。相続のときに、きちんと調べておけばよかった」
兄弟間でも、そんな言葉が出たそうです。
この二つの事例の違いは「早く現実を知ったかどうか」。
・感情の前に、まず調査
・思い込みではなく、査定と現地確認
・そして親が元気なうちに、事実を共有できたか
家じまいは、親の人生を整理することではありません。
家族みんなで、これからの未来をどうつくるかを考えるプロセスです。
いきなり「売れない」と突きつける必要はありません。
まず状況を知り、事実を伝え、一緒に“より良い選択”を考える。
焦らず、小さな会話と小さな調査から始めてみてください。
次回は、
第3回:実家の未来を決める“家じまい”実践ガイド
― 手続き編:家じまいの流れと準備のしかた ―
実際に何から始めればいいのか。
登記・査定・家族共有まで、具体的なステップをお伝えします。
▼連載記事一覧
【不動産連載Vol.1】親が元気なうちに。なぜ「家じまい」を考える必要があるのか
藤木賀子(ふじき・よしこ)
スタイルオブ東京株式会社 代表取締役
宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター
公式HP「実家の家じまい」https://styleoftokyo.jp/iejimai/
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