1分でわかる「介護休暇とは?」介護休業との違いと上手な使い方

1分でわかる「介護休暇とは?」介護休業との違いと上手な使い方

「親の通院に付き添いたいけれど、平日に休めるだろうか」「急に介護の手続きが必要になったら、仕事はどうしよう」。介護が身近になると、こんな心配が増えてきますが、仕事も簡単には休めないですよね。

そんなときに知っておきたい制度のひとつが「介護休暇」です。名前から「介護のために何日も仕事を休む制度」と思われがちですが、実はそうではありません。

介護休暇は、通院の付き添いや手続き、ケアマネジャーとの打ち合わせなど、仕事を続けながら介護に必要な用事を済ませるために使う制度です。具体的に解説していきます。

 

介護休暇は、短い時間の「ちょっと困った」に使える制度

連載なぜ「家じまい」を考える必要があるのか

介護休暇は、要介護状態にある家族の介護や世話をするために取得できる休暇です。育児・介護休業法で定められており、対象となる家族が1人の場合は1年間に5日、2人以上の場合は10日まで取得できます

大きな特徴は、1日単位だけでなく時間単位でも使えることです。

たとえば、午前中だけ親の通院に付き添い、午後から出勤する。地域包括支援センターへの相談や、ケアマネジャーとの打ち合わせの時間だけ仕事を離れる。そんな使い方ができます。

また、「介護」と聞くと、食事や入浴、排せつなどを家族が直接手伝う場面を想像するかもしれません。しかし介護休暇は、それだけに使うものではありません。「通院の付き添い」、「介護サービスを利用するための手続き」などにも活用できるのです。

 

誰の介護なら利用できる?

対象になるのは、配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母です。事実婚の配偶者も対象に含まれます。

また、介護休暇を使うために、必ずしも家族が介護保険の「要介護認定」を受けている必要はありません。「けがや病気、心身の障害などによって、2週間以上にわたり常時介護が必要な状態であること」が介護の基準になります。

2025年4月からは制度も少し使いやすくなりました。それまで労使協定によって「継続雇用6か月未満」の人を対象外にできましたが、この除外規定はなくなっています。

ただし、週の所定労働日数が2日以下の人については、労使協定によって対象外となる場合があります。実際に利用するときは、自社の就業規則や人事担当窓口も確認しておくと安心です。

 

給料は出る?申請はどうする?

介護休業給付金の申請

介護休暇を取った時間や日の賃金を支払うかどうかは、法律で一律に決められていません。そのため、無給としている会社もあれば、有給としている会社もあります。

「介護休暇を取ったら給与が減るのかな」と気になる場合は、まず勤務先の制度を確認してみましょう。会社独自の介護支援制度が用意されていることもあります。

介護休暇の申出は、書面に限らず口頭で可能とされています。ただし、会社で申請様式などが決められている場合は、その方法に沿って手続きをします。急に利用が必要になる場合に備えて、あらかじめ社内の申請方法を確認しておくと安心です。

 

「介護休業」は、まとまった時間で「介護体制を整える」制度

よく似た名前に「介護休業」があります。

介護休暇が数時間や1日といった短い用事に向いているのに対し、介護休業は、対象家族1人につき通算93日まで、3回に分けて取得できる制度です。一定の条件を満たせば、雇用保険の介護休業給付を受けられる場合もあります。

ここで大切なのは、この93日間を「自分が介護に従事する期間」ではなく、「これからも仕事を続けられる介護体制をつくるための期間」として活用することです。

たとえば、親が退院して一人暮らしが難しくなったとき、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談し、必要なサービスを検討したり、家族で役割を話し合ったりするには、時間が必要です。親が遠方に暮らしていれば、現地でまとめて対応したい場面もあるでしょう。

介護休業は、こうした介護の節目に、これからの生活と仕事の両立体制を整えるために活用できる制度です。

 

まとめ:制度は「介護する」より「体制づくり」に活用しよう

介護は、日常的なケアはできるだけ専門職や介護サービスに任せ、家族は精神的な支えになることが、仕事と両立していくうえでの基本的な考え方です。

とはいえ、家族の時間が必要になる場面はあります。介護サービスを調整するための話し合いや、サービスが始まるまでの対応、通院の付き添いなど、専門職やサービスだけではカバーしきれない部分を、家族が担うこともあるでしょう。

そんなときに活用できるのが、介護休暇や介護休業です。数時間から1日の対応には介護休暇、まとまった時間を確保して介護体制を整えたいときには介護休業。それぞれの特徴を知っておくと、必要なときに使い分けやすくなります。

大切なのは、制度を上手に使いながら、「自分が介護をする」のではなく、「仕事を続けられる介護体制をつくる」という視点を持っておくことです。介護が始まっても仕事をあきらめずに済むよう、使える制度を上手に味方につけていきましょう。

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