運転せずに生活できる代替手段とは〜「買い物」「趣味」「通院」など目的にわけてみる〜

運転せずに生活できる代替手段とは〜「買い物」「趣味」「通院」など目的にわけてみる〜

高齢の親御さんの運転に不安を感じているご家族から、「親は高齢だけど、他に交通手段がないから免許返納をしたら生活に困る。」と耳にすることがあります。

ご高齢で実際に今運転を続けている方は、不安だからと言ってすぐにやめるわけにはいかない場合が多いのではないかと思います。
また、すぐに運転をやめるわけでなくても、体の衰えとともに徐々に運転する頻度が減ったり、移動する範囲が狭くなって困りごとが出ている場合もあるでしょう。
そういった、運転しない生活での困りごとに備えて、代替手段を調べておきましょう。

代替手段を考えるコツは、「買い物」「趣味」「通院」 などの目的に分けて考えることです。
目的を明確にすると代わりの手段を整理しやすくなります。

70歳以上の家族の運転目的:平成17年警察白書
70歳以上の家族の運転目的

平成17年の警察白書によると、70歳以上の方の運転の目的は「買い物」「通院」が多くなっています。
「通勤のため」や「職業として」、また「家族の送り迎えのため」など、高齢の方ご本人の現在の役割として運転する必要があるものを除くと「買い物」「趣味(遊びに行くため・運転が好きだから)」「通院」  が代表的な目的と言えます。

 

今回はこれらの3つの目的別に、代替となるサービスなどをご紹介いたします。

1.「買い物」の代替手段は

70歳以上の方の運転の目的で最も多いものは 「買い物」です。
最近は宅配なども増えてきていますが、どういうサービスがあるのでしょうか?

 

2.「趣味」の代替手段は

運転をしなくなることで、生きがいや楽しみになっている活動ができなくなると、急激に衰えが進んでしまう可能性があります。

今楽しみにしていることをなるべく継続するために、また、新しい楽しみを見つけてもらうために利用できるサービスを紹介しています。
近所でできる楽しみや通いの場だけでなく、オンラインでできるものも増えてきています。

 

3.「通院」の代替手段は

「通院」だけではなく、市役所へ行く、街まで買い物に行く、など外出時に必要な交通手段。
車で出かけていた場所、車でないといけなかった場所へ行けなくなるのは、困るという方もいらっしゃると思います。そんなときの代替手段をいくつかご紹介します。

①遅くて小さい車/グリーンスモールモビリティ(電気自動車)/超小型モビリティ

MAX 45kmのスピード制限などで、安全に運転できるような仕様になっている車です。三人乗り自動車に乗って、お孫さんを駅まで乗せていくご高齢者の事例もあります。

②シニアカー(電動カート)

「シニアカー」とは、スクーターのような見た目でハンドル付きの3輪車、もしくは4輪の乗り物です。「電動カート」などとも呼ばれることがあります。

③電動車いす

「電動車いす」とは、電動モーターにより走行できる車椅子のことを指します。シニアカー(電動カート)とは異なり、使用する方の障がいの程度や使用目的によって、どちらがより適しているのかを判断することが必要です。

④コミュニティバス

ご自宅近くと病院までをつなぐコミュニティバスを活用されている方もいらっしゃいます。自治体によってはタクシー券を配布している地域もあるので、ご自宅近くにコミュニティバスがない場合でも、タクシー利用などの優遇措置がないか、お近くの自治体に一度問い合わせてみることをおすすめいたします。

 

【注意点】ご本人の価値観によっては、「免許を持っている=一人前の証」「車が好きだから持ち続けたい。どうしても手放したくない」などのお気持ちから、代替手段を受け入ることが難しいことがあります。親御さんの価値観にあった提案が大切になるので、ご家族と話し合いながらさまざまな可能性を加味しながら判断していくことが必要になるでしょう。

 

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この記事の監修者

回答者アイコン木場 猛(こば・たける) 株式会社チェンジウェーブグループ リクシスCCO(チーフケアオフィサー) 介護福祉士 介護支援専門員 東京大学文学部卒業。高齢者支援や介護の現場に携わりながら、 国内ビジネスケアラーデータ取得数最多の仕事と介護の両立支援クラウド「LCAT」ラーニングコンテンツ監修や「仕事と介護の両立個別相談窓口」相談業務を担当。 3年間で400名以上のビジネスケアラーであるご家族の相談を受けた経験あり。セミナー受講者数、延べ約2万人超。 著書:『仕事は辞めない!働く×介護 両立の教科書(日経クロスウーマン)』
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