高齢ドライバーが起こした悲惨な事故が度々報道される中、運転を続けている高齢の親御さんを持つ方の多くは不安を抱えています。
高齢になるにつれて判断能力や身体機能が低下するのは事実で、ご家族が不安に感じるのももっともなことです。
そういった不安を抱えたご家族は「そろそろ私の親も免許返納したほうがいいのではないか」という考えが頭に浮かぶことでしょう。
しかし、「どこが危ないのか」という客観的な事実なしに免許返納を勧めることは、親御さんの自尊心を傷つけ、トラブルの元になる場合があります。
実際に免許返納の話をきっかけに家族間でもめてしまったり、その後の関係にしこりが残っているという話はこれまでに何件も聞いています。
お互いに運転のリスクを客観的に見極めてコミュニケーションを取ることが重要ではありますが、話を切り出すこと自体が難しいと感じる方も多いのではないかと思います。
運転をやめること自体が親御さんの今の生活や健康に与えるリスクを考えると、すぐに免許返納を勧めるわけにはいかない場合もあります。
他に利用しやすい交通手段が少ない地域などでは、運転をやめてしまうと買物や通院などが難しくなり、日常生活がままならない状態になる可能性があります。
また、生活のために運転しているのではなく、運転すること自体が趣味の方や、車を使用する前提で様々な集まりに出たり、仲間とのコミュニケーションを続けている方も少なくありません。
そういった方が運転をやめてしまうと、他者との交流の機会を失ってしまったり、生きがいや生活の張り合いを無くしてしまい、老化を加速する可能性があります。
こういった方の場合には、すぐに免許返納を勧めるのではなく、できる限り安全に運転を続ける方法も含めて対応策を考えなければなりません。
高齢の親御さんの運転に不安を感じたら、運転を続けることのリスクと、運転をやめた時のリスクを見極めながら、親御さんの意思を確認し、それぞれのご家族に応じた解決策を考えていくことが必要です。
具体的な解決策は、ご本人の現時点の運転のリスクや、ご本人が運転する目的、生活環境により異なります。
今回リクシスでは、高齢の親御さんの運転に不安を感じた方が、今どう行動するべきなのか考えるヒントになる情報を提示するシミュレーターを作成しました。
免許返納をするべきか、と考え始めた時に親御さんとどうコミュニケーションを取るのか、実際にどういった解決策があるのか、それぞれのご家族の状況に応じて考えていただくためにご利用ください。
・3ステップの質問に答えてあなたがいまできることを表示します
あなたの今の気持ちや親御さんの状況について、3段階の簡単な質問にお答えいただくと、どう行動するべきか、今できることを表示します。
家族の現在地を知り、親子で今後どうしていくかを考えるきっかけとして活用して下さい。
・具体的な解決策や、利用できるサービスなどの情報をお知らせします
それぞれのご家族が答えを出していくヒントになるよう、あなたや親御さんの現在の状況を踏まえて、利用できるサービス相談先、話すきっかけなどを具体的に提案します。
木場 猛(こば・たける) 株式会社チェンジウェーブグループ リクシスCCO(チーフケアオフィサー)
介護福祉士 介護支援専門員 東京大学文学部卒業。高齢者支援や介護の現場に携わりながら、 国内ビジネスケアラーデータ取得数最多の仕事と介護の両立支援クラウド「LCAT」ラーニングコンテンツ監修や「仕事と介護の両立個別相談窓口」相談業務を担当。 3年間で400名以上のビジネスケアラーであるご家族の相談を受けた経験あり。セミナー受講者数、延べ約2万人超。
著書:『仕事は辞めない!働く×介護 両立の教科書(日経クロスウーマン)』
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