ショートステイ(短期入所生活介護)とは?利用シーンや選び方について

ショートステイ(短期入所生活介護)とは?利用シーンや選び方について

ショートステイとは

ショートステイとは、主に介護施設が提供している「短期入所生活介護」というサービスのことで、連続で30日まで介護事業所内で宿泊できる、介護保険内サービスです。
特別養護老人ホームや老人保健施設、有料老人ホーム等が主なサービス提供先となりますが、デイサービスと併設されている場合もあります。

また、医療的処置が必要な方の場合は、主に病院・老人保健施設が提供する「短期入所療養介護」(医療的な管理の元に行うショートステイ)が選択肢となります。

利用シーンとしては、
①介護家族側の休息(レスパイト)確保や、出張・旅行ニーズに対応する場合
②施設入居検討時の練習・体験のために利用する場合
③施設入居待ちの間に代替手段として利用する場合
の3パターンがあげられます。

実際の利用データでは、ショートステイ利用者の7割が1~2週間の活用期間であることが分かっていますので、①の場合でも比較的長めの日数、連続的に使われるケースが多いといえるでしょう。

 

利用シーンごとの検討ポイント

利用シーン① 介護家族のレスパイト(休息)や、出張・旅行等の際に使う場合

このケースの場合には、ご自身の予定が直前まで確定しないことも多いかと思いますが、直前だと空きが全くないこともあり得るので、できることなら早めに少し幅広い期間、前もって予約をしておくのがおすすめです。

一般的には2か月前から予約可能なケースが多いので、定期的に予定が発生することが分かっている方々の中には、予約可能枠が空くその瞬間に、翌月の分を予約されている方もいらっしゃいます。

利用シーン② 施設入居待ちの間に代替手段として長期利用する場合

この利用ケースの場合は、「すぐ空いているか」「最大値=30日」近くで入れるかが一番の優先順位になるかと思います。実際には入居待ちがどのくらいになるかわからないので、30日後に1日だけ帰宅して、再度30日宿泊する、という形をとったり、いくつかのショートステイを渡り歩いたりする場合もあります。
本来のショートステイの目的とは異なる活用方法ですが、実際には緊急手段としてこのように使われるケースも少なくありません。

利用シーン③ 施設入居検討時の練習・体験のために利用する場合

「本人は家以外にいたことがないので、ちょっと練習したい」というご家族もいらっしゃるので、この利用シーンも少なからずあります。施設入所は半年後だけれど、どこに入所するかの検討も兼ねて、1~2泊ショートステイを利用して、本人との相性をご覧になるケースです。

実際には、ほぼ入居が決まっていればショートステイを活用せずとも体験入居させて頂ける施設もあります(1~2泊から1週間くらいまで)。ただ、まだどこにしようか決めかねている場合には、ショートステイも一つの選択肢だと思います。

 

ショートステイの選び方

◆予約の取りやすさ

一番大事なことは、予約が取れることだと思います。
1泊2泊の短期間なら直前でも取れる可能性はありますが、一般的に3泊以上になると直前予約は取りにくくなります。大きめの施設だと空いている可能性もありますので、緊急の時には大きめの施設を探されるのも一案です。

◆金額

利用金額は、1泊2日4,000円~1万円以上まで幅があります。これは部屋のタイプ(個室か否か)や、食事代によって異なります(ここは施設によって単価にかなり幅があります)。個室か大部屋かで料金が異なってくる、病院の入院ベッドとほぼ同じような仕組みだと考えてください。

※住民税非課税世帯の場合には、収入によって1,000~2,000円の助成金補助があります。

◆その他

医療機関が運営する「短期入所療養介護」以外では、原則医療行為ができないため、本人がお持ちの疾患によって、通常のショートステイ先では受け入れができないケースもあります(日中行われるレクリエーション・アクティビティと本人との相性など)。

 

ショートステイが見つからなかった場合の代替手段

最後に、ショートステイが見つからなかった場合の代替手段をご紹介します。

1) 在宅介護サービスの頻度を上げる

普段使っている見守りサービス、ヘルパーサービス、デイサービスの頻度を上げることもできます(夜間は来てくれませんが、そこを許容した場合)。

2)お泊りデイサービス

急に1日とか泊まりたい場合には、デイサービスで宿泊を受け入れている場合があります。
ただし、「泊まりだけ」はできないので、普段から使っているデイサービスだと理想的。
もちろん、突発の場合も可能ですが、翌日の日中サービスも併せて利用することになります。

3)レスパイト入院

医療機関のベッドが空いている場合には、自費サービスで提供してくれるレスパイト入院ができるケースがあります。「緊急性」が高い時には対応してくれますが、高額なため、最終手段として頭に入れておきましょう。

 

まとめ

ショートステイは在宅サービスでありながら、一定期間宿泊もできるサービスです。家族側の休息や、施設入居の準備の選択肢の一つとして活用されるとよいでしょう。

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この記事の監修者

回答者アイコン木場 猛(こば・たける) 株式会社チェンジウェーブグループ リクシスCCO(チーフケアオフィサー) 介護福祉士 介護支援専門員 東京大学文学部卒業。高齢者支援や介護の現場に携わりながら、 国内ビジネスケアラーデータ取得数最多の仕事と介護の両立支援クラウド「LCAT」ラーニングコンテンツ監修や「仕事と介護の両立個別相談窓口」相談業務を担当。 3年間で400名以上のビジネスケアラーであるご家族の相談を受けた経験あり。セミナー受講者数、延べ約2万人超。 著書:『仕事は辞めない!働く×介護 両立の教科書(日経クロスウーマン)』
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