今日の相談テーマ
ケアマネジャーと合わない、と思ったら
仕事と介護との両立準備について役立つ情報をお届けするシリーズ。具体的な相談事例を元に、知っておくべき知識をお届けします。
相談:介護中の母と担当ケアマネジャーの折り合いが悪いようで、心配です。どうしたらよいのでしょうか?
同居している80代の母が要支援2になりました。膝の痛みから外を歩くこともなかなか難しくなっているので、通院や外出の時にヘルパーを利用しています。
昔から気が強かった母に原因があるのかもしれませんが、担当ケアマネジャーの提案に母が反発しているようで、この先が心配です。
介護プロ回答:ケアマネジャーは必要があればいつでも変更できます
ケアマネジャーは、介護を受ける本人や家族の状況を把握して介護サービスを計画し、各事業者との調整を行なう中心的役割を担っています。 ケアマネジャーを信頼できない状態が続くと、本人や家族の状況が正しく伝わらなくなったり、必要なサービスの提案を本人が受け入れられなくなったりすることがあります。ご家族が心配になるような状態が続いているなら、ご本人の意向をあらためて確認した上でケアマネジャーの変更を検討しましょう。
ケアマネジャーを変更する前に、まずは現状把握
ケアマネジャーに不満があるが大事にはしたくないということでしたので、お話を聞いて以下の点を確認した上で、本人がケアマネジャーの提案を受け入れにくくなっているようであれば担当の変更を依頼しましょう。
- 本人の意思を確認する 周りから折り合いが悪いように見えても、本人が特に気にしていないのであれば変更する必要は無いと思います。ケアマネジャーを変えたほうがいいのか、まずは本人の意思を確認しましょう。
- ケアマネジャーの所属組織に相談する ケアマネジャーの所属する事業所の上司や管理者に相談すると、ケアマネジャー本人への指導で改善できるのか、変更したほうが良いかを判断してもらえます。
- 利用しているヘルパーや看護師などに相談する ヘルパーや看護師などに相談すると、一旦間に入って話をしてくれる場合があります。実際、私がヘルパーとして訪問していた際にご相談を受けたこともありました。
ケアマネジャーを変更するには所属事業所へ伝えましょう
ケアマネジャーを変更するとそれまで利用していた介護サービスも変更になるのではないかと心配される方もいらっしゃいますが、サービス内容は変えずに担当ケアマネジャーのみ変更することができますので心配はありません。
- 所属事業所に伝える 所属事業所に言いにくい場合は、馴染みのヘルパーや看護師などに伝えて間に入ってもらうこともできますので安心してください。ケアマネジャーが個人で運営している場合は、お近くの地域包括支援センターが窓口になります。
- 他のケアマネジャーの紹介をうける 変更を申し出ると、同じ事業所に所属する他のケアマネジャーや近隣の事業所のケアマネジャーを紹介してもらえます。どんなケアマネジャーが良いかヒントになるよう、変更したい理由やそう思った出来事などははっきりと伝えるようにしましょう。
介護が始まって間もない場合は、しばらく様子を見たほうが良い場合もあります
初めて介護を利用して数か月は、介護を受けること自体に慣れていないことが原因で不満が出ている場合があります。その場合は担当を変えて解決できるというよりは、慣れるまで時間がかかるという課題なので、少し様子を見ていただく必要があると思います。
もちろん、ケアマネジャーの対応が遅い、緊急時に連絡がつきにくい、サービスの調整がうまくいかない、伝えたことがプランやサービスにきちんと反映されてないなど、関係する誰もが困ってしまうような事務的なミスや怠慢があるようであれば、どんなタイミングでもすぐに変更して構いません。
この記事の監修者
木場 猛(こば・たける) 株式会社チェンジウェーブグループ リクシスCCO(チーフケアオフィサー)
介護福祉士 介護支援専門員 東京大学文学部卒業。高齢者支援や介護の現場に携わりながら、 国内ビジネスケアラーデータ取得数最多の仕事と介護の両立支援クラウド「LCAT」ラーニングコンテンツ監修や「仕事と介護の両立個別相談窓口」相談業務を担当。 3年間で400名以上のビジネスケアラーであるご家族の相談を受けた経験あり。セミナー受講者数、延べ約2万人超。
著書:『仕事は辞めない!働く×介護 両立の教科書(日経クロスウーマン)』
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