要支援2で受けられるサービスは?もらえるお金やサービス内容について解説

要支援2で受けられるサービスは?もらえるお金やサービス内容について解説

要介護認定における「要支援」の段階は、介護予防の必要性がある方を対象とします。

要支援2の認定を受けた場合は、要支援1よりも心身状態が良くないなど、介護が必要な状態になる可能性が高いと考えて良いでしょう。

要支援2の状態や、要支援1と要介護1の違い、要介護認定の要支援2はどのような心身状態の方が対象となるのか、また、利用できるサービスや自己負担額について説明します。

 

要支援2とは、どんな状態?

要支援2とは要介護ではありませんが、日常生活の一部に支援が必要な状態です。
厚生労働省による要支援の定義は以下とされています。

身体上若しくは精神上の障害があるために入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部若しくは一部について厚生労働省令で定める期間にわたり継続して常時介護を要する状態の軽減若しくは悪化の防止に特に資する支援を要すると見込まれ、又は身体上若しくは精神上の障害があるために厚生労働省令で定める期間にわたり継続して日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態

厚生労働省|要介護認定に係る法令

つまり、日常生活の基本的なことはできるけど、部分的なところでサポートが必要ということです。例えば、食事やトイレの動作はできるけど、家事や身支度などのサポートが一部必要という状態など。

また、要支援1より要支援2の方の方が身体的機能が低下しています。特に足腰の衰えが多く認められるそうです。

要支援2で一人暮らしを継続するためには、日常生活の中で起こるリスクを最小限に抑えるために工夫したり、身近な人の協力が必要になるでしょう。

 

要支援2の認定基準

高齢男性に診断結果を説明している女性医師

要介護認定での「要支援」は、介護予防の必要性がある方を対象とするものです。
要介護度を認定する基準のひとつとして 「要介護認定基準時間」 があります。
「要介護認定基準時間」は介護に必要な時間を定めたもので、これによって要介護度が決まります。要支援2の要介護認定基準時間は32分以上50分未満です。

※​​要介護認定基準時間は、実際の介護に要する時間ではなく、あくまでも要介護の程度を評価するための指標になります。

また、要介護度は要介護認定基準時間だけで決まるわけではありません。その他の要素から要介護度に相当すると判断されれば要介護認定を受けることができます。

要支援2の要介護認定基準時間は、要支援2の一段階上の要介護区分である要介護1と同じ基準時間です。しかし、状態が全く同じわけではありません。
要支援2は、まだ介護が必要な状態ではなく、あくまで「介護予防」の必要性があるということです。

要介護1になると日常生活の基本的なことにも介護が必要となります。また、認知症がある場合や、主治医により半年以内に体調が悪化すると診断を受けた場合も、要介護1になる可能性が高いと言えます。
このように、さまざまな違いを前提にして要支援2の基準が定められています。

 

要支援2と要介護1の違い

要支援2と要介護1の状態はとても似ているように見えますが、状態の安定性、認知症高齢者の日常生活自立度で判別することができます。

状態の安定性とは、病状そのものではなく、認定後6ヵ月以内に介護度の再評価が必要かどうか、という観点で状態の安定性を判断します。再評価が必要な場合には、要支援2から要介護1になることもあります。

認知症高齢者の日常生活自立度とは、認知症の状況をI~Mの7段階で評価するもの。この評価が高い場合、要介護に判定される可能性があります。

要支援2と要介護1の要介護認定基準時間は同じですが、要支援2と要介護1には、理解力に大きな違いがあります。認知症がある場合は要介護1と認定されるケースが多いこともあり、要介護1では理解力の低下が見られることが特徴とされています。

また、身体機能についても要支援2よりも要介護1の方が低下しているとされており、要介護1では、歩くとき、立ち上がる動作をするとき、入浴、トイレなど日常生活の基本的な動作に介助が必要とされています。

一方、要支援2の方々は、認知機能の低下については特徴とされていないため、介護というよりは日常生活のサポートが必要とされます。

介護が不要か必要かは、要支援2と要介護1の大きな違いです。

最終的には介護認定審査会で議論されて介護度が決定されます。一概に線引きはできませんので、参考程度に考えておきましょう。

 

要支援2で受けられるサービス

要支援2の認定を受けると、介護予防サービスを利用することができます。

日常生活や介護における負担を軽減するためにも、ご本人に合ったサービスを適切に選択しましょう。

介護予防サービスには「訪問系サービス」「通所系サービス」「宿泊系サービス」「福祉用具のレンタル・購入サービス」「地域密着型サービス」「介護予防住宅改修サービス」があります。

また、自治体や民間企業、NPOなどが行っているデイサービスなど、自費で利用することのできる介護予防サービスもあります。

これらのサービスを積極的に活用し、要介護に進まないよう予防しましょう。

介護・福祉・ヘルパー・お見舞い

 

自宅で受けられるサービス

訪問系サービスは、各分野のプロによる生活援助や身体介護を自宅で受けられるサービスです。本人が自宅で快適に生活を続けることを目的として、ケアプランに沿った内容の支援を受けることができます。

訪問介護:ホームヘルパーが自宅を訪問し、家事や入浴など生活支援を行うサービス

介護予防訪問看護:看護師が自宅を訪問し、看護ケアを行うサービス

介護予防訪問リハビリテーション:理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が自宅を訪問し、リハビリを行うサービス

 

施設に通って受けられるサービス

通所系サービスは普段は自宅で暮らしながら施設へ通い、介護や健康管理、リハビリや入浴サポートなどの支援を受けるものです。職員の方や他のサービス利用者とコミュニケーションをとる機会にもなり、本人にとって良い刺激にもなるでしょう。

通所介護:日帰りで施設に通い、食事や健康チェック、介護予防体操などを受けるサービス

介護予防通所リハビリテーション:リハビリ施設に通い、リハビリテーションを受けるサービス

介護予防認知症対応型通所介護:認知症ケアを専門とした通所施設に通い、食事や入浴などの支援を受けるサービス

 

宿泊して受けられるサービス

宿泊系サービスでは、1日から1ヵ月などの短期間で施設に宿泊できるサービスです。退院直後に一時的に施設入居を希望される場合や、ご家族が冠婚葬祭などで介護できない場合にも重宝します。

介護予防短期入居生活介護:ショートステイ。介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどの施設に短期間宿泊するサービス

介護予防短期入所療養介護:医療型ショートステイ。医療機関や介護老人保健施設などで医療ケアを受けながら短期間宿泊するサービス

 

生活環境を整えるために受けられるサービス

介護予防サービスでは、介護度ごとにレンタルや購入できる福祉用具が定められています。しかし、レンタルできるものと購入できるものでも区別されているので注意が必要です。

歩行器はレンタルのみとなりますので、購入する場合は保険適用外となります。

また、福祉用具に関しても、要支援2ではレンタル出来ないものがあります。「車いす」や「介護ベッド」などはレンタルできません。これは、要支援2という状態からみると必要性が薄いとされているためです。

 

施設などに入居して受けられるサービス

要支援2の方は施設入居をしていないイメージがあるのではないでしょうか。

しかし実際は、全施設事業入居者の10%前後の方は要支援2の方であったり、多くの方が入居しているのが現状です。

特定施設入居者生活介護は、自治体に指定された特定施設に入居中の要支援・要介護認定者に対して、日常生活のサポートや機能訓練を提供します。また、外部の指定介護サービス事業者と協力しながらサービスを提供する特定施設もあります。

 

地域密着型のサービス

地域密着型サービスは、認知症高齢者や独居高齢者などが住み慣れた地域で生活を続けられるように、市町村指定の事業者によるサービスが受けられます。

認知症ケア専門の施設でサポートを受けながら利用者同士が共同生活を送るグループホームや小規模多機能型居宅介護も地域密着型サービスに分類されます。

 

要支援2でもらえるお金は?

要支援2の場合、介護保険から給付される1ヵ月当たりの区分支給限度基準額は10,531単位(1単位=10円で105,310円分)です。これは実際に現金としてもらえるわけではなく、この単位数の範囲で保険適用されるという意味になります。

つまり、この区分支給限度額までは、要介護者の収入により1~3割の自己負担でサービスを受けることができますので、1割負担の場合は10万5,310円の1割の、1万531円となります。(区分支給限度額を超えた場合は自己負担になります)

また、区分支給限度額は地域などによって違う場合があるため、具体的な金額を知りたい場合についてはお住まいの自治体などにお問い合わせください。

 

まとめ

「要支援2」の方にとって大切なのは、介護予防です。
介護保険サービスには、訪問看護や通所リハビリなど、要介護状態へ悪化しないための介護予防サービスを提供しています。
「要支援2」で利用できる介護予防サービスを積極的に利用することで、本人が快適に生活できたり、ご家族の介護負担を減らせたりする可能性があります。

自分に合ったサービスを取り入れていきましょう。

 

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この記事の監修者

サポナビ編集部

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