介護保険でサービスが始まっても、「それ以外の時間が心配…」と感じたことはありませんか?
たとえば週2回のヘルパー訪問とデイサービスだけでは、日常の小さな困りごとは見落とされがちです。さらに民間サービスで補おうとすると、費用負担が気になるもの。
そんなときに心強いのが、自治体が提供する無料または低額の高齢者福祉サービスです。知っておくことで、「なんとかなるかも」と感じられる一歩に変わります。
「生活支援型食事サービス」や「食の自立支援事業」では、お弁当を届けるだけでなく、利用者の様子も確認してくれます。
一食あたり400〜600円ほどで利用できることが多く、留守や異常があれば緊急連絡先に通知される仕組み。遠距離介護でも安心材料になります。
介護保険の訪問介護では、「日常的でないこと」は対象外。たとえばエアコン掃除、草取り、電球交換などです。
これらは、地域のボランティア団体や社会福祉協議会を通じて、100〜500円程度で依頼できる場合があります。「ちょっと困った」を気軽に頼れる選択肢です。
一人暮らしの親御さんにとって、緊急時の連絡手段は命綱です。
自宅の電話機に取り付けられる緊急通報装置は、ボタン一つで受信センターと連絡が取れるもの。GPS付きの機器を貸し出す自治体もあり、認知症のある方の見守りにも役立ちます。
地域によっては、さらに多彩なサービスが用意されています。
たとえば──
制度には乗らない小さな支援こそ、日々の暮らしには欠かせません。
実際に使えるサービスの情報は、ネット検索では見つからないことも多いのが実情です。
まずは「地域包括支援センター」に足を運んでみてください。パンフレットだけもらうだけでも構いません。
あわせて「社会福祉協議会」では、地域のニーズに応じた独自の事業を展開していることがあります。シルバー人材センターとの連携もあるため、支援を探す際には要チェックです。
介護保険だけでは拾いきれない支援も、自治体や地域の工夫で支える手段がたくさんあります。
お弁当の宅配が見守りを兼ねていたり、草取りや高所の電球交換をワンコインで頼めたり…。
そうした「もう一歩の安心」は、地域包括支援センターの他、「社会福祉協議会」「シルバー人材センター」「公民館」「コミュニティセンター」など、地域資源の情報を知っているかどうかで差がつきます。
いざという時のために、今のうちから「どこでどんなことをやっているか」を頭の片隅に置いて近所を歩いてみると、知らなかった地域の情報に出会い、介護に向き合う気持ちも少し軽くなるかもしれません。
介護プロ編集部