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小規模多機能居宅介護サービスとは?利用シーンや選び方について解説

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小規模多機能居宅介護サービスとは

小規模多機能居宅介護サービスとは(通称:小多機<ショウタキ>)、施設と在宅のメリットを組み合わせた複合サービスです。

介護度に応じた【月額固定料金】で、訪問・通所・宿泊のサービスを必要に応じて日々組み合わせながら利用できるのが特徴です。

高齢者ご本人の体調は日によっても変化するので、調子がよいときは通所をうまく使いながらご自宅で普段の生活を続けることができますし、調子が悪いときは2-3日事業所に宿泊したり、ヘルパーさんに自宅に訪問してもらうことも可能です。

「自宅で暮らす」ことを大切にしつつ、大規模施設と比較すると、個人個人のニーズに対応した臨機応変なサポートが受けられることが最大のメリットといえます。

また、訪問・通所・宿泊を通じて、同じサポートスタッフチームが対応するため、環境変化に敏感な認知症の方にとっても安心できる環境を整えることができます。

小規模多機能居宅介護サービスの利用シーン

1. 認知症で一人にはしておけないが、「自宅で暮らしたい」意向が強い場合

認知症でおひとり暮らしの場合でも、「できることなら、なるべく自宅で」という方は少なくないと思います。

小規模多機能居宅介護サービスは、認知症の初期段階であれば通所・訪問中心で、中・重度になると宿泊を組み合わせながらという選択ができるので、長い間ひとつの事業所で担当してもらえるというメリットがあります。

安定して一貫したスタッフに看てもらえると、ご本人だけでなく、ご家族の心理的負担も軽減できます。

ただ、医療処置等ができる場所ではないので、重度でほぼねたきりになる/殆ど自宅にいられない状態になると、介護施設に移られるのが一般的です。

2. 体調変化や気分の浮き沈みリスクが高く、決まったスケジュールでの支援が難しい場合

病院からの退院直後でいきなりの一人暮らしが不安、というケースや、定期的に通うデイサービスに「今日は行きたくない」と言い出したり、途中で「帰る」と言い始める頻度が高まっているケースには、柔軟なサービス対応ができる小規模多機能がお勧めです。

そのときの状況に応じて通所の時間を変えたり、今日は泊りにするという判断を当日でもできるので、ご本人の意向や状況にあった柔軟なサポートを受けられます。

ただし、小規模多機能のスタッフ人員が対応可能な範囲で調整することになりますので、常に希望通りのサービスを「使いたい放題できるわけではない」ことは、あらかじめ留意しておきましょう。

小規模多機能居宅介護サービスの選び方

1. まず「選択肢があるか」を確認

小規模多機能事業所は新しい業態なので、そもそもの事業所数が少なく、全国に約5400か所しかありません。

実は自治体ごとに事業所数にかなりの開きがありますので、介護対象者のお住まいの自治体の中に選択肢として存在するか、何事業所あるのかを確認することが重要です。

2. 事業所によってサービスや対応の差が大きい/ご本人と事業所スタッフたちとの相性も重要

もしも選択肢が複数ある場合には、事業所によってサービス内容も大きく違う場合があるので、実際に訪問してみたり体験されたりするのがお勧めです。
小規模多機能のスタッフはあまり入れ替わりがないので、ご本人とスタッフチームとの相性もご覧になるとよいでしょう。

 

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この記事は専門家に監修されています
 介護プロ
木場 猛(こば・たける)

株式会社チェンジウェーブグループ リクシスCCO(チーフケアオフィサー)
東京大学文学部卒業。2001年の在学中から現在まで22年以上にわたり、介護士・ケアマネージャーの現場職として、2,000世帯以上のご家族を担当し、在宅介護、仕事と介護の両立支援に携わる。
著書:『仕事は辞めない!働く×介護 両立の教科書(日経クロスウーマン)』https://amzn.to/3ryjZNg

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