良いケアマネージャーの選び方・チェックポイントとは?

良いケアマネージャーの選び方・チェックポイントとは?

ケアマネージャーに相談できることとは?

下記のようなことについて、全てケアマネジャーに相談することができます。

・今の段階で要介護申請すべきかどうかの判断・アドバイス
・月1回の本人に対する見守りと、家族への報告
・要介護申請を拒んでいる本人への説得
・介護保険外の介護サービスの手配
・要介護申請の代行
・本人が望む介護に加え、家族のリソース制約を踏まえたうえでのケアプラン作成

制度上は「要介護認定」が降りた後にしかケアマネジャーはつきません。
ただ実際には、(こちらから依頼すれば)申請前でも諸々頼ることができますので、何か心配なことがある際は、まずはケアマネージャーに相談することをおすすめします。

ケアマネージャーの探し方

一般的には要介護認定を受けると、自治体の介護保険課または地域包括支援センターで、地域担当の居宅介護事業所(ケアマネージャーの所属組織)のリストが貰えるので、そのリストから選んでご自身でコンタクトすることができます。 ただし緊急性が高く、すぐに介護サービスを受けたい場合には、要介護認定を待たず自治体窓口でリストを貰い、直接連絡してケアマネージャーに要介護申請の代行からお願いすることもできます。

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良いケアマネージャーの選び方・判断ポイント

行政窓口でもらえるケアマネージャーのリストや、ホームページを見てもケアマネージャー個人の情報は載っていないため、公開されている情報から良いケアマネージャーを探すことは困難です。

ただ、近隣で働く専門職の間で信頼されているケアマネージャーはいるので、いくつか条件を上げると、条件に合いそうなケアマネージャーを紹介してもらえる場合があります。 既に介護サービスとつながっている場合は、その事業者のスタッフに聞くと良いかと思います。申請前の方の場合は地域包括支援センターや、入院先の相談員(または看護師)に以下のような条件を挙げて聞いてみると良いかと思います。

1. 得意分野について

ケアマネージャーは、前提として介護職、看護師、医師、理学療法士などの実務経験があり、もともとの専門が何かによって得意分野が異なります。 定期的に医療的な処置が必要で医療機関との連携が重要な場合などは元看護師の方だと安心ですし、在宅一人暮らしなどで生活全般に課題がある方の場合は、訪問介護の実務経験がある方が得意かもしれません。

【+αポイント】解決に向けて選択肢を提供できる専門知識がある

本人や家族の状況が変化した時には、要介護の区分変更や介護保険サービスの追加の提案、または介護の負担が減るような打ち手の提案を考えてもらうことになります。 法的な制限を踏まえて、近隣で利用できるサービスや、スムーズに導入する方法などについての実務的な知識がなければ新たな提案をすることができません。 よく話を聞いてくれるだけでなく様々な視点から提案ができる専門知識があるのが良いケアマネージャーです。

2. 連絡体制について

平日9-18時にしか連絡が通じないというケアマネージャーの事業所もあります。 ご家族が日中仕事で忙しい場合、18時以降や土日などにも連絡がつくか、担当者会議の日時をご家族に合わせてくれるか、などを条件に上げて確認しておくと、その後の連絡が楽になります。

【+αポイント】何かあればすぐに対応してくれるか

緊急時の対応はもちろんですが、状況が変わったことをケアマネージャーに伝えた後、適切なタイミングで各サービスに変更が反映されなければ意味がありません。対応が遅いと感じることが続くようならケアマネージャーを変更することも考えてよいと思います。 逆に、実務経験に乏しいケアマネージャーの場合でも、他の専門職と連携してすぐに対応してくれるのであれば、あなたにとって良いケアマネージャーになることはありえます。
 

3. 相談した先との連携のしやすさ

近隣のサービス事業者に知り合いがいたり、担当ケアマネージャーが付く前に使いたいデイサービスがあるなどで、先に介護サービスとつながっている場合は、スタッフに心当たりが無いか相談してみるのも良いかと思います。条件を上げないでも連携の取りやすいケアマネージャーを紹介してくれる場合があります。
調整役であるケアマネージャーを本人や家族が信頼できない状態が続くと、各担当者に情報が正しく伝わらなくなったり、必要なサービスの提案を受け入れにくくなったりするため、良いサービスにつながることはありません。 ケアマネージャーとの信頼関係・コミュニケーションの質については、常にこだわって普段から要望を伝え、密な連携を取っていきましょう。

【+αポイント】あなたにとって話しやすい相手であるか

気になることや状況の変化があればすぐに相談できるような関係でないと、最適なサービスが提供されることはありません。 自分の話をよく聞いてくれると感じられる、専門的な話も分かりやすく話してくれる、など、あなたにとってケアマネージャーが話しやすい相手になっているかが重要なポイントになります。 仕事との両立という点で考えるなら、夕方や夜間、土曜などでも反応してくれる、またLINE等で連絡の取りやすい状況を作ってくれるような方が良いかもしれません。

ケアマネージャーを変えたくなったら?

もしも介護サービスの内容に不満がある場合、担当ケアマネージャーに相談して対応を考えてもらいましょう。担当者会議で各サービス担当者を含めて検討し、サービス内容・頻度や、担当するサービス事業者を変更することができます。

しかしながら、介護サービスではなく、様々な理由により担当ケアマネージャーを変えたくなった場合、ケアマネージャーを変更することも可能です。ケアマネージャーの対応が遅い、緊急時に連絡がつきにくい、伝えたことがプランやサービスに反映されてない、と感じるようであれば担当変更を検討しても良いかもしれません。ただし、ご家族に不満があっても、本人が今の担当ケアマネージャーを気に入っている場合には、担当を変更することが本人の心身の負担に繋がる可能性があるため、慎重に考えたほうが良いでしょう。

まとめ

介護サービスをうまく利用するためには、利用者とご家族とケアマネージャーとの連携が必要不可欠です。良い介護体制が築けるかどうかは、担当するケアマネージャーの裁量によって大きく左右されることでしょう。
ご本人やご家族にとって、良いケアマネ―ジャーとはどんな人かを考えながら、介護サービスを活用されていくことをおすすめします。

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この記事の監修者

回答者アイコン木場 猛(こば・たける) 株式会社チェンジウェーブグループ リクシスCCO(チーフケアオフィサー) 介護福祉士 介護支援専門員 東京大学文学部卒業。高齢者支援や介護の現場に携わりながら、 国内ビジネスケアラーデータ取得数最多の仕事と介護の両立支援クラウド「LCAT」ラーニングコンテンツ監修や「仕事と介護の両立個別相談窓口」相談業務を担当。 3年間で400名以上のビジネスケアラーであるご家族の相談を受けた経験あり。セミナー受講者数、延べ約2万人超。 著書:『仕事は辞めない!働く×介護 両立の教科書(日経クロスウーマン)』
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