2023年7月21日、リクシスは、第7回『ビジネスケアラー会議』を開催いたしました。本オンラインセミナーは、高齢化の流れが加速する日本社会において、現役世代として働きつつ、同時にご家族の介護にも携わっている「ビジネスケアラー」の方々とその予備軍となる皆様に向けたセミナーです。
今回のテーマは「親と自分のためのロコモ対策」。
ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは、加齢に伴い「立つ」「歩く」といった運動器(移動機能)が弱っていくことを言います。
基本的な知識から自宅でできるロコモ対策まで、詳しく解説をしていただきました。
最近親御さんの外出頻度が減って運動不足が心配な方や、筋力・健康維持が心配だという高齢者の方々はもちろん、ロコモという言葉を初めて聞いたという方にも、介護予防の観点からぜひ知っておいてほしい内容です。
<当日のプログラムおよび登壇者>
▼当セミナーのアーカイブ動画はこちら(無料会員限定でご視聴いただけます)
▼本記事では、第3部の講演内容前半をダイジェストにてご紹介します。
▼講演者プロフィール
石橋英明(いしばし・ひであき)医療法人社団愛友会 伊奈病院 副院長/整形外科科長NPO法人 高齢者運動器疾患研究所代表理事(ロコモアドバイスドクター・サポートドクター)(伊奈病院 公式HP: https://www.inahp.saitama.jp/ )
第3部ではロコモについて詳しくお話していただきました。この記事ではロコモ予防の運動に絞ってご紹介いたします。
ロコモーションシンドローム(ロコモ)とは、足腰が弱くなって移動機能がしにくくなった状態のことを言います。
日本整形外科学会で推奨しているロコモの評価方法がいくつかありますので、ご紹介しましょう。
詳しくは、ロコモチャレンジ!推進協議会ホームぺージ“ロコモONLINE(https://locomo-joa.jp/)をご覧下さい。
今回はこの中から、1番効果的であろうと言われている「立ち上がりテスト」をやってみましょう。
「立ち上がりテスト」とは、片脚または両脚で、決まった高さから立ち上がれるかで、下肢の筋力を評価をするというテストです。
片脚40cmで立ち上がれる方はロコモではないと判断されます。
だいたい机に座る時の椅子の高さは、低い場合で42cmくらいです。ソファーや公演のベンチなどはだいたい30cmくらいで作られています。座ってる椅子から立ち上がれれば十分と言えるでしょう。実際にやってみてください。立ち上がれれば、まだまだ大丈夫というひとつの指標になります。
ロコモは日頃から対策をすることで予防することができます。
運動と栄養の2つの面で対策がありますが、運動についてまずは解説していきましょう。
下記のような対策が有効だとされています。
運動習慣をつける
身体活動の高い生活を送る
ロコモトレーニング(ロコトレ)は4種類あります。どれも家でできるものです。
スクワット、片脚立ち、かかと上げについてポイントをお伝えいたします。
スクワット
①足は肩幅より少し広く30度くらい外向きに開き、姿勢よく立ちます。
②前傾姿勢になり、バランスをとってください。手が前に出てもかまいません。
10〜12秒かけて5〜10回を1日3セット行います。
※ひざがつま先よりも前に出ないように注意しましょう。膝蓋骨(お皿の骨)の関節面に負担がかかり、痛みが出やすくなってしまいますし、全体の筋肉ではなく大腿四頭筋だけを使うようになってしまいます。
※椅子スクワット(実際に椅子を使って座ったり立ったりする)でも効果があります。
※ダンベルを持つ、ゆっくり下がって早く上がる(もしくはジャンプをする)ということをすると強度が上がります。
片脚立ち
床に足がつかない程度に片足を上げて立ちます。右脚・左脚でそれぞれ1分間ずつ、1日3回行いましょう。
※不安な方は手や指をついて行ってOKです。
※転倒しないように、必ずつかまるものがある場所で行いましょう。
かかと上げ
両足で立った状態で背伸びをして、ゆっくりかかとを下ろすので1セット。1セット20回を1日2〜3セット行います。
※壁や机に手をつくと安全にできます。
※片足かかと上げをすると強度が上がります。
毎日少しずつ行うと効果が期待できます。
親御さんと一緒に強度を変えて行ってみるのもおすすめです。一緒にやると動機づけになります。
サポナビ編集部