いざヘルパーやデイサービスを利用したいと思ったとき、サービス利用の手続きや手配の頼りになるのはケアマネジャー(正式には「介護支援専門員」)です。ケアマネジャーは、要介護者やその家族を支える専門職であり、介護保険サービスの司令塔です。そんなケアマネジャーとうまく連携できれば、介護の不安はぐっと減り、あなたは安心して仕事や自分の生活への専念が可能になります!
このページでは、ケアマネジャーの役割や、家族から伝えておきたいこと、知って得する選び方のポイントをサクッと知って、介護のパノラマ(見晴らし)を獲得しましょう。
ケアマネジャーの仕事は、高齢者の方が安心して日常生活を送れるよう支援することですが、その過程で、あなたの安心にも繋がるサポートが多くあります。以下では、特に、介護サービスの利用にあたってあなたの負担となる不安を解消する3つのサポートをご紹介します。これらのケアマネジャーの役割を知ると、遠距離での介護さえも実現可能だと感じられるはずです。
介護保険サービスを利用するためには、「要介護認定」を受ける必要があり、市役所への申請や書類の準備が必須です。ケアマネジャーには、介護保険サービスをスムーズに利用できるよう支援する役割があるため、介護保険にまつわる手続きを、親御さんやあなたに代わって行ってくれます。親御さんやあなたは代行に同意するだけで、煩雑な手続きから解放されます。
■ケアマネジャーに手続き代行を依頼した田中さんのエピソード
ある日、70代の田中さんが転倒して足を痛め、自宅での生活に不安を感じるようになりました。そこで娘さんの真由美さんは、田中さんに介護保険サービスを利用してもらおうと考えます。しかし、いざ調べてみると「要介護認定」という手続きが必要で、市役所への申請や書類の準備などがあることが分かりました。「これってどうすればいいの?」と戸惑う真由美さんの前に現れたのが、ケアマネジャーの佐藤さんです。佐藤さんは、介護保険のプロフェッショナルとして、田中さんがスムーズにサービスを利用できるよう手続き全般をサポートしてくれました。
例えば、佐藤さんは市役所への「要介護認定」の申請を代行し、必要な書類を準備。また、認定が更新の時期を迎えたときも、面倒な手続きや書類作成を真由美さんに代わって行ってくれました。真由美さんは、「サインや捺印だけで済むなんて、本当に助かります!」と大喜びです。
こうして、田中さんは介護保険サービスをスムーズに利用できるようになり、真由美さんも事務手続きの負担から解放されました。真由美さんは「専門家がいると安心だね」と笑顔で話していました。
いざデイサービスやヘルパーを利用しようと思ったら、ケアプランの作成が必要ですし、地域によって特色が異なる事業所選びも大変です。ケアマネジャーはその地域の介護事業所に詳しく、親御さんに合った事業所を選んで提案してくれます。体験利用の手配を始め、週間スケジュールを含めたケアプランの作成まで、無料でお任せできます。
【下図】これが介護保険サービスの利用を開始するとよく目にすることになるケアプランです。家族の意向や役割も組み入れることができます。
<ケアプラン例:一人暮らし・認知症・要介護1・女性の場合>
ケアマネジャーは定期的にご自宅を訪問して親御さんの様子を確認します。親御さんやあなたの不安の相談に乗ってくれるのはもちろん、ケアマネジャーが専門的見地から心配に思うことがあれば、他の事業所とも共有して支援してくれます。遠距離の場合には、逆に、親御さんの実際の様子を教えてもらうのも良いでしょう。
あなたのライフスタイルや状況を最初にケアマネジャーに伝えることで、無理なく介護を続けやすくなります。例えば、「平日は忙しく、日曜日なら買い物の手伝いができる」や「遠距離で年に一度しか帰省できない」などを伝えると、ケアマネジャーは最適な介護サービスの時間帯や頻度を提案できます。これにより、後々の調整がスムーズになり、ストレスの少ない介護環境が整います。
ケアマネジャーには、家族への報告頻度や書式に関する義務は特に定められていません。しかし、ケアプランの開始や更新時に開催される「サービス担当者会議」などで、家族の意向を確認したい場合もあります。そこで、連絡のつきやすい時間帯を事前に共有したり、LINEなどの手段でやり取りすることに同意しておくと、よりスムーズにコミュニケーションが取れるようになり安心です。
元気だった頃の親御さんを知っているのは、何よりもあなたです。親御さんの性格や日常の習慣、好みや得意なこと、逆に苦手なことといった情報は、介護事業所の選定や、リハビリにおける目標設定に大いに役立ちます。興味や価値観を反映させることで、親御さんの意欲を高め、より充実した生活を支援することができます。このように、あなたから得られる情報は、介護の質を大きく向上させる大切な資源になるので、積極的にケアマネジャーに伝えましょう。
「居宅介護支援事業所」とは、ケアマネジャーが所属している組織です。要介護認定を受けると、自治体の介護保険課または地域包括支援センターでリストをもらえます。
▼こちらからも検索できます。 https://navi.lyxis.com/care-manager
ケアマネジャーは定期的にご自宅にいる親御さんを訪問します。場所が近いと、スケジュール調整がしやすい他、緊急時にも対応してもらいやすいです。まずは家から近い事業所に連絡して、担当してもらえるかどうか電話で問い合わせてみましょう。
電話での対応が良く、担当をお願いしたいと思えたら、初回の顔合わせ日時を調整しましょう。実際に会って、正式に担当を決定したあとは、ケアマネジャーの主導に従って、今後の方針を決めていきましょう。
<さらに詳しい情報はこちらをチェック!>
▼ケアマネージャー(介護支援専門員)とは?役割や選び方、上手な付き合い方について解説
サポナビ編集部