まだ、両親ともに元気なのですが、今のうちから準備をしておきたいと考えております。まず何から検討すれば良いか、教えてください。また、各段階ごとに何をしていくのが良いかステップが分かるとありがたいです。
(ペンネーム:グラサンさん)
グラサンさん
ご質問ありがとうございます。今の段階で準備しておこうと考えられたこと、素晴らしいと思います。
さて、まず心構えからお伝えします。
介護があってもなるべく無理せず仕事を続けるために大事なポイントは
・介護のプレイヤーではなくマネージャーになる
・早い段階でプロに相談し、介護の手を増やす
です。
そのため、少なくとも初動として、
親御さんのお住まいの地域を担当する「地域包括支援センター」の連絡先を把握しておいていただきたいです。
その後のステップは以下のように考えています。
①介護前
・いざという時の相談先を知る
・親御さんの状況(経済状況・心身状態)を把握する、できるようにしておく
・お金の準備など介護が始まってからでは難しいことは早めに動く
②介護の始まり
・早い段階でプロに相談する
※介護保険を利用するかは別として、65歳以上で家族が時々様子を見ないといけないと思うぐらいで地域包括支援センターにご相談可能です。親御さんが介護を受け入れないという場合も、一旦本人抜きで相談してプロと一緒に進めた方が楽になります。
・仕事のため対応が難しいことや時間の制限については専門職に初めから遠慮なく伝えておく
③介護中
・負担が大きけばケアマネージャーに「レスパイト(家族の負担軽減)」の手段を聞く
・介護保険外の民間サービスも含め、負担軽減策については自身でも情報収集する
その後はプロとよく相談しつつ...といったところでしょうか。
物理的な介護はプロに任せる方が両立しやすいですが、ご家族にしかできないこともあります。
それは、お元気な時の親御さんの生活の様子や思いを代弁することです。
親御さんにとって良いケア、ご家族にとって負担の少ないケアをするためには、
これまでの生活歴や価値観に基づいて親御さんが望むであろう姿を考えなければなりません。
悪くなった機能を補完するだけでは、親御さんにもご家族にも負担が大きくなるばかりです。
介護職は体が悪くなってからの親御さんしか知ることができませんので、
お元気なうちに良いケアのヒントになるようなことをご家族に覚えておいていただけると負担を減らせる可能性があります。
自分史のようなサービスを利用するのも良いかと思います。
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