症状にムラのある認知症の親への心持ちや接し方について

症状にムラのある認知症の親への心持ちや接し方について

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まだらボケの状態の親への対応や気持ちの切り替えが大変です。ボケているときと正常なときは確かに明らかに違うのですが、突然切り替わるのでこちらの対応が追いつきません。

せめてきっかけがわかればと思うのですが、特にきっかけはないように思います。心がけ、心持ち、接し方など、なにかアドバイスいただけましたらお願いします。

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ご質問のある認知症の方は、典型的なレビー小体型認知症の方であり、典型的な注意力集中力の変動という状態がみられています。することは2つあります。

ひとつは、このような注意力集中力の変動は、なにもすることがなくぼーっとしたり、いつもと同じ行動を同じようにしていたりするときにおこりやすいと言われています。本人にとって楽しい時間、なにかに集中している時間、趣味やすきなことをしている時間、などを増やすことで、このような変動は起こりにくくなります。具体的には、デイサービスにいくとか回数を増やすだけでも減少します。

もうひとつは、アリセプト(ドネペジル)を内服することです。これはレビー小体型認知症には唯一適応症を厚労省が認めているものです。注意力集中力の波を少なくし、やる気や意欲をださせて、わかりやくしいうとしゃきっとしてくれるようなイメージです。もしいま内服しているならば上限の10mgまで増やすのもいいでしょう。

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回答者:伊苅弘之(いかり・ひろゆき)

医療法人さわらび会福祉村病院副院長。医学博士。日本老年医学会・日本老年精神医学会の専門医・指導医。 1957年4月25日生まれ。愛知県名古屋市出身。豊橋市に拠点を構える信州大学医学部卒業後、名古屋大学医学部老年科学教室に入局。記憶に関する基礎実験を行い医学博士を取得。1993年1月から1995年3月までアメリカ国立衛生研究所客員研究員。帰国後、名古屋大学医学部附属病院にて「ものわすれ、認知症外来」を5年間行われました。1999年4月より高齢者のための総合的施設群(1,000人以上の高齢者が生活している)の中心となる福祉村病院に勤務されています。

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