認知症の悪化を遅らせることができるというデータは広く世界中にあります。効果の判定は記憶や判断力などの認知機能を評価する神経心理検査を行い評価できます。
この認知機能の検査のデータもあふれています。簡単なものでは、MMSEという30点満点の知能検査ですが、パーソンセンタードケアを実施せず生活環境に関与せず、内服薬などの悪化を遅らせる治療もしないでいると、認知症の90%を占める脳が慢性進行性に萎縮していく認知症では、およそ1年で2,3点程度低下していくことになっています。
それに対して、生活環境を整備して、内服なども使用していると、実際には、1年で0.5点程度の低下に抑えることができている方も多数おられます。評価方法は、CDR(clinical demantia rating)という評価スケールにあるように、記憶、判断力、見当識、家庭での活動、関心趣味や社会活動、自立して生活できているか、という6項目を総合評価して決めますが、家庭での生活ぶりを確認したら、悪化しているかどうかは簡単に判定可能です。