同じことを何度も言うのは認知症の始まりでしょうか?

同じことを何度も言うのは認知症の始まりでしょうか?

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94歳の実母ですが、自分は認知ではないと思っています。しっかりしていて、本を良く読み、記憶力もありますが、最近、特に気になることだと思いますが、同じことを良く言います。さっき、この話していたのに、初めて言うように、何度も同じ話をします。さっき言ったよと言うと、言ってないと言い、言った言わないで口論になったりします。よく怒ります。耳も遠くなってるのに、聞こえないことは、私が早口で喋るからと言ってきます。

母の言う事が間違っていても、そうか、そうかと聞いていればご機嫌さんで居るのですが、これらの症状は認知が始まっているのですか?教えて下さい。
よろしくお願いします。


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記銘力といって、少し前のことを憶えている能力ですが、年齢と共に衰えていきます。ですから94才になれば、記銘力は若い頃よりはずいぶん悪くなっています。

記銘力が正常範囲か異常なのかを判断するポイントですが、一般家庭では、何度も同じことを言っているという客観的事実を認めないというのは異常である可能性が高いと言います。MCIレベルの時は、「そうか、もう何度も言ったか、わるかったな」などと自分の記憶障害をあるかもしれないという発言があります。

厳密には、記憶の検査をすれば明らかになります。ADAScogの10枚のカードの検査があります。カード1枚ずつに「猫」「自転車」など1枚に1つの単語が書いてあり、声にだして読んでもらいながら憶えてもらいます。10枚終わったところで何があったか、思い出せるものをどういう順番でもいいので言ってもらいます。これを同じカードで3回やります。

この検査は世界中で使われていて、年齢に応じた基準値があります。その基準値を下回れば、年齢以上に記銘力が低下していることになります。その場合は、年齢も考慮すると、嗜銀顆粒性認知症の可能性が高まります。アルツハイマーではありません。

認知症の方の診療を丁寧にしているとか、認知症もきちんと時間をかけて診てくれるという評判の医療機関へ受診されるがよいと思います。

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回答者:伊苅弘之(いかり・ひろゆき)

医療法人さわらび会福祉村病院副院長。医学博士。日本老年医学会・日本老年精神医学会の専門医・指導医。 1957年4月25日生まれ。愛知県名古屋市出身。豊橋市に拠点を構える信州大学医学部卒業後、名古屋大学医学部老年科学教室に入局。記憶に関する基礎実験を行い医学博士を取得。1993年1月から1995年3月までアメリカ国立衛生研究所客員研究員。帰国後、名古屋大学医学部附属病院にて「ものわすれ、認知症外来」を5年間行われました。1999年4月より高齢者のための総合的施設群(1,000人以上の高齢者が生活している)の中心となる福祉村病院に勤務されています。

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