物忘れと認知症初期の違いについて

物忘れと認知症初期の違いについて

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通常のもの忘れと認知症の初期との違いについて詳しく知りたいです。


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人は年齢にかかわらず、ちょっと忘れたり、名前がでてこない(喚語困難)などの症状は個人差がありますが、あるものです。認知症は脳の病気で、脳が少しずつ萎縮していきます。症状も少しずつ増えていきます。

一方で、年をとれば、必ずものわすれが増えるというわけではありません。自分ではなかなか気づきにくいのですが、周囲の人間がみていてものわすれが増えたのではないかと感じたら、正解の場合が多いといえます。

記憶とくに記銘力という、少し前のことを憶えていられるかどうかについては、検査を行って判断するのが一番わかりやすいでしょう。いろいろな検査がありますが、ADASと検査の中に10枚のカードを憶えていく検査があります。世界基準があり、線引きができるので、その年齢の健常者と記憶障害がある方を区別できます。

その検査で正常範囲なら年齢相応、基準値をとれない場合は記憶障害があるとなります。認知症の初期症状はそれぞれの病気で違いますので注意が必要です。

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回答者:伊苅弘之(いかり・ひろゆき)

医療法人さわらび会福祉村病院副院長。医学博士。日本老年医学会・日本老年精神医学会の専門医・指導医。 1957年4月25日生まれ。愛知県名古屋市出身。豊橋市に拠点を構える信州大学医学部卒業後、名古屋大学医学部老年科学教室に入局。記憶に関する基礎実験を行い医学博士を取得。1993年1月から1995年3月までアメリカ国立衛生研究所客員研究員。帰国後、名古屋大学医学部附属病院にて「ものわすれ、認知症外来」を5年間行われました。1999年4月より高齢者のための総合的施設群(1,000人以上の高齢者が生活している)の中心となる福祉村病院に勤務されています。

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