父(88歳)と母(85歳)は、共にアルツハイマー型認知症と診断されており、現在は要介護1の認定を受けています。二人で同居しており、私(娘)は電車で1時間強の距離に家族と暮らしており、兄は車で15分ほどの距離に住んでいます。私も兄も会社員として働いております。
要介護認定を受けてからすでに3年が経ちますが、これまで一度も介護サービスを利用していません。両親は認知症ではあるものの身体面は健康で、家事全般(掃除・洗濯・調理)や入浴・着替えも自力でこなしており、日常生活はおおむね成り立っています。買い物も2人で出かけており、お釣りの扱いが不安なためカード決済をしているとのことですが、今のところ問題なくできているようです。
ただ私としては、デイサービスの利用や訪問介護による服薬支援などを通じて、現在の状態をプロの目で判断してもらえる体制を整えておきたいと考えています。とはいえ、本人たちは「必要ない」といった思いが強く、サービス利用に対して頑なな姿勢です。過去にケアマネジャーの紹介で何カ所か見学に行ったデイサービスでは、「幼稚に見える」と受け止められてしまったようで、以降サービス利用には結びついていません。
もし今後どちらかに体調不良や急変があった場合、ショートステイなどの一時的な支援を利用することもあると思うので、その際に備えて、どこかにルートを持っておきたいのですが、どのように説得したらよいでしょうか?
ご両親が現在お元気に過ごされているとはいえ、ご家族として将来に備え、安心できるサポート体制を整えておきたいというお気持ち、よくわかります。
現在、ご両親がお二人で助け合いながら工夫して暮らしておられること自体は、とても素晴らしいことです。また、要介護認定をすでに受けておられることは、大きなアドバンテージとお考えください。
すでにご経験されている通り、多くのケースで、デイサービスはハードルが高いのが実情です。ただ、当初はサービスを「不要」と考えていた方でも、実際に困った状況になると自然と支援を受け入れることが多いものです。
また、ご本人が介護サービスに抵抗を感じている場合でも、「目的の伝え方」や「導入の順番」を少し工夫することで、スムーズにつながることがあります。以下に、実際によく使われるアプローチ例をいくつかご紹介します。
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