やまさん、ご質問ありがとうございます。
お一人暮らしのお母様について、ご不安は尽きないこととお察しします。
さて、施設入所を決心するタイミングについてのご質問ですね。
実際に入所するタイミングはそれぞれのご家庭の事情によりますが、まず相場についてお話しします。
施設入居時の平均年齢は85歳前後、要介護3以上で入居している方の割合が増え、8割以上が認知症あり、という統計があります。親御さん本人の不安が強く早めに施設に入りたい場合を除くと、85歳か要介護3か認知症が進行したと言われたあたりで、本人の気持ちと生活リスク(と介護費用)を天秤にかける、ということになるでしょうか。
実際に入居を決断された方たちは、それぞれ階段を自力で上がれない、自分でトイレにいけない、認知症などで1人の時間のリスクが高くなった、といったタイミングで考えてらっしゃいました。
ほかに、急な体調変化による入退院などで半強制的に施設入居に進む方も少なくありません。
もちろん、不安はあっても最後までご自宅での暮らしを続ける選択をした方もいらっしゃいます。
私自身、介護の現場では、最後まで自宅で暮らす方をサポートしてきました。
とはいえ、自宅での暮らしを望んでも難しい場合もあります。
例えば、近隣トラブルや警察沙汰を頻繁に起こしてしまう、少しでも1人にすると大きな事故につながる、身体介護が常時必要なのに近隣の在宅サービスが足りない、などの場合です。
やまさんの場合は、まだ大丈夫そう、と言われたところです。
少し先の想定をするために、もう少し衰えが進んだ時に今の環境でどんなリスクがありそうか、あらためて担当ケアマネージャーに聞いてみてください。やまさんが決心するタイミングについて、本人と住環境を見ているケアマネージャーは私より正確に見積もってくださると思います。
例えば、もう少し認知症が進行したらありそうな困りごとは何か、うちの場合在宅が難しくなるとしたら何がネックになりそうか、という聞き方だと答えてもらいやすいかもしれません。
合わせて、現時点でのやまさんのお気持ちもお伝えください。
最後まで自宅にいてほしいのか、多少のリスクがあってもなるべく自宅でしのぐのか、入れるものなら早く施設に、なのか。
そうして見えてくる決心のタイミングと、お母様・やまさんのお気持ちを踏まえて、より良い選択につながればと思います。
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