#フレイル対策

高齢者の親の食生活を把握しよう。フレイル予防サポートのコツとは?

#フレイル対策

提供:アサヒグループ食品株式会社

前回の記事では、高齢者にとって重要な課題である「フレイル」と「食事」の関係について解説しました。

読んでくださった方の中には「食生活を管理することなんて自分にできるのだろうか」「食事についてサポートできるほどの知識がない」と不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は、身近な高齢者の食生活について何ができるのか、具体的なサポートの方法についてご紹介していきます。

高齢者の食生活の実態とは

高齢者の食事のサポートについて、まず大切なのは食生活の実態を把握することです。
食事の内容や量に変化があるかどうか、それを知らなければサポート方法を考えることはできません。

同居している方であれば日頃から食事内容を確認することも可能でしょう。
しかし、親御さんと離れて暮らしていらっしゃる方は、どうすれば食生活を把握することができるでしょうか?

まず行ってほしい2つの項目について、具体的にご紹介していきます。
前回のおさらいになるところもありますので、一緒に確認してみてください。

 

イレブンチェック

前回もご紹介した、東京大学高齢社会総合研究機構「やってみようフレイルチェック」の栄養・食・口腔に関するチェックリストは、非常にわかりやすいチェック項目です。

実際には11項目あり、運動や社会参加についての項目もありますが、今回は栄養・食・口腔に関するもののみをピックアップしています。

NO質問事項回答欄
1ほぼ同じ年齢の同性と比較して健康に気をつけた食事を心がけていますかはいいいえ
2野菜料理と主菜(お肉またはお魚)を両方とも毎日2回以上は食べていますかはいいいえ
3「さきいか」「たくあん」くらいの固さの食品を普通に噛みきれますかはいいいえ
4お茶や汁物でむせることがありますかいいえはい

出典:公益社団法人 東京都医師会 / 東京大学 高齢社会総合研究機構「やってみようフレイルチェック」

上記の基本チェックリストで、右側のどちらか1つでも○がついている方は要注意です。

簡単なチェックリストですので、話す機会があった時に何気なく聞いてみると良いでしょう。

大切なのは「定期的に確認する」ということ。離れている親御さんに、数ヶ月に1回聞いていこうと決めるだけでもコミュニケーションが増え、変化を見逃さない意識が生まれます。

 

冷蔵庫の中身や常備食料品のチェックのポイント

高齢者の食事の実態を把握するのに、有効な手段の一つは冷蔵庫の中身を確認することです。
イレブンチェックは自己申告での回答であるのに対し、冷蔵庫の中身や常備食料品は周りの方の目で確認することができます。

食品の状況気にすべきポイント
同じ食品ばかりが買い置きされている食事の準備が面倒になっていないか
前回見た時から生鮮食品が減っている、必要な調味料が切れている買い物が億劫になっていないか
肉類・魚類・卵・乳製品・大豆製品が保存されていないたんぱく質が不足していないか
菓子パン類、麺類など単品メニューが多い栄養が偏っていないか

高齢になると食事が単調になりがちです。全く食べないよりもファストフードやインスタント食品を食べている方が良いのですが、筋肉の量や質が低下してフレイルなどを招かないよう、特にたんぱく質が不足していないかは注視してください。

厚生労働省が推進するフレイル予防事業でも栄養バランスを整えることと、十分な量のたんぱく質摂取が推奨されています。

厚生労働省:食事摂取基準を活用した高齢者のフレイル予防事業

高齢になり心身が衰えてくると、冷蔵庫の整理がうまくいかずに雑然としてくることがあるようです。

異変に気がつくためにも、何かの用事で立ち寄った時や帰省の時、冷蔵庫を開けて見てみるという習慣を作ってみてください。

 

実際の例から見えるポイントを確認

では、実際にいくつかの冷蔵庫の中身や乾物等の常備食料品の状況を見てみましょう

例1:70代ご夫婦の場合

ご家族構成夫(78歳)、妻(75歳) ※近くに長女と三女が暮らしている
仕事無職
気になっている事・困りごと
・夫が糖尿病予備群と診断されたため糖質や味の濃いものを避ける

写真を見ていただくと分かる通り、生鮮食品をはじめお肉や納豆、フルーツ類などの食材が豊富に入っており、たんぱく質も意識しながら調理もされている様子がわかります。

旦那様が糖尿病予備軍ということで食事には気を遣っているようで、栄養バランスも整っているように思います。

このような冷蔵庫の状態であればひとまずは安心して良いかと思いますが、例えば気がつかないうちに「食材の量が減っている」「賞味期限切れの食材が放置されている」などの変化があれば、何か困ったことはないか確認を取ってみてください。

 

例2:90代女性の場合

ご家族構成女性(90歳)※要介護1、息子夫婦・孫(食事や冷蔵庫は別に分けている)が同居
仕事無職
気になっている事・困りごと・足腰が悪くなってきたので外出が減っている
・長女が頻繁に買い物を代行するなど、家族が何かと身の回りのことを世話している

 

一方こちらの冷蔵庫写真は、70代ご夫婦の冷蔵庫と様子が大きく異なるのがお分かりになると思います。

息子夫婦と同居されており生鮮食品を入れておく必要性がない影響もありますが、ご年齢と共に食べられる量が少なくなってきたりなどの理由から食材の種類が限定的になり、簡単な調理で食べられるものが増えています。

食べられる量が少なくなると、極端な例では1日の食事を菓子パン1つで終わってしまう方もいるようです。そういった実態が判明した際は、好きなものだけに偏らず、たんぱく質を多く含む食品をおかずに1品入れるなど、サポートをしてあげた方が良いでしょう。

例としては牛乳やヨーグルト、チーズなどすぐに食べたり飲んだりできる乳製品をお勧めするのも有効です。

 

食生活の実態

高齢者の食生活の実態は、年齢や健康状態、居住形態(誰と住んでいるか)によって変化します。

今回事例に取り上げたご家庭は奥様が料理をされている夫婦世帯、息子夫婦と暮らしている90歳の方だったため比較的バランスの取れた食事をされているようでした。

しかし、お一人で暮らす高齢者の場合は「孤食」により食事に関心が無くなったり、食欲が減退してしまって低栄養に繋がるケースが想定されます。

遠方に親御さんが住んでいる場合は、電話やメッセージなどで「今日は何食べたの?」と聞いてみたり、食べたものを写真に撮ってお互い送り合うなどもいいでしょう。

親御さんの食生活の実態をまず把握した上で、本人にあったサポートを勧めることが重要です。

 

親の食事を支えるサポート方法

食事に限らず、少しでも心配なことがあったらまず親御さんが住む地域の「地域包括支援センター」に相談することをお勧めいたします。介護に関する総合相談窓口的な施設ですが、介護が必要ではない段階でも「一人暮らしをしている高齢な親が心配」「親の見守り方法を相談したい」などといった相談にも応じてくれます。

<親が住む地域の地域包括支援センターを探してみる>

高齢者の食事をサポートする方法も多様化しており、民間が取り組んでいるサービスを活用する事も有効です。

サービスカテゴリサービス概要
ホームヘルパーヘルパーが自宅に訪問して調理など生活介助を行う。※ケアプランに調理が含まれている場合のみ可。まずはケアマネージャーや包括支援センターに問い合わせください。
家事代行介護保険で対応できない家事全般のサポートを必要に応じて受けられる。
配食サービスお弁当などの食事を自宅まで配達してくれる民間サービス。市区町村で独自に行っていることもある。
ミールキット食材とレシピがセットになっているもの。献立が決まっていて、必要な分が入っている。下処理やカットがされているので簡単に調理できる。自宅まで配達してくれるものもある。
レトルト食品湯せんや電子レンジで温めて簡単に食べられる。種類も豊富なため栄養バランスを加味して一品追加などが可能。

選択肢が多く、どれが親御さんに合っているのか分からないというお悩みもあると思います。また「子どもに迷惑をかけたくない」という気持ちから支援を断ってしまう親御さんもいらっしゃいます。

その場合は負担を軽くして、1日3食のうち1食を配食サービスにしてみるなど、気軽に試してみることができるサービスもあります。何が合っているのかを知るためにも、まずは試してみるのがベストです。

健康寿命を維持して元気な生活を続けるために、なるべく親御さんとコミュニケーションをとって必要なサポートを考えてみてください。

 

まとめ

フレイルの兆候を見逃さないためには、食事・栄養摂取の実態把握をする事が大切なことの一つです。

親御さんは子どもに迷惑をかけまいと困っていることを素直に相談しない事も多々あるので、定期的に冷蔵庫や常備食料品をみて異変がないかチェックする方法をご紹介いたしました。

今回のような冷蔵庫などの中身チェックに限らず、ご実家に帰省した際には食事をきちんと取っているか、体重は減っていないか、何か変わったことはないかと観察してコミュニケーションとることがフレイル予防に繋がります。

地域包括支援センターへの相談をはじめ、民間のサービスやレトルト食品などを活用しながら親御さんの健康維持に必要なサポートを検討してみてください。

 

【PR】レトルト食品を上手に活用してフレイル対策

親御さんの食事の実態を把握して課題が見つかったとしても、毎日料理をして栄養を補ったり必要なものを買いに行くのは非常に大変だと思います。加えて、親御さんと離れて暮らしている場合は尚更サポートが難しく感じるのではないでしょうか。

アサヒグループ食品の「バランス献立(やわらか食 パウチ入り)」は種類が豊富にあるので、献立にあと1品足したい時にも非常に便利です。常温で保存ができるので、いくつか種類を揃えておき必要な時に利用して家事・介護の負担を減らす目的で使っていただきたいです。そのままお皿に出して常温でお召し上がりいただくことも可能なので忙しい日々でご自身の大切な時間を守りながら親御さんのサポートができる商品として使ってみてください。

ただいま読者の方限定で「バランス献立(やわらか食 パウチ入り)」のお試しプレゼントキャンペーンを行っています。この機会にぜひ一度お試しください。

この記事は専門家に監修されています
 介護プロ
木場 猛(こば・たける)

株式会社チェンジウェーブグループ リクシスCCO(チーフケアオフィサー)
東京大学文学部卒業。2001年の在学中から現在まで22年以上にわたり、介護士・ケアマネージャーの現場職として、2,000世帯以上のご家族を担当し、在宅介護、仕事と介護の両立支援に携わる。
著書:『仕事は辞めない!働く×介護 両立の教科書(日経クロスウーマン)』https://amzn.to/3ryjZNg

AD
【噛みやすい・飲み込みやすい】 三色食品群の考え方に着目したメニューを、手軽に1品加えてみませんか?前身の和光堂株式会社がベビーフードで培ったノウハウを活かしたやわらか食 PR:アサヒグループ食品株式会社
この記事をシェアする
介護情報の国内最大級メディア | ライフサポートナビ
タイトルとURLをコピーしました